
神様を「父なる神」と呼ぶのは何故ですか?

主イエスが自分を遣わされた神様のことを「アッバ」と呼ばれたのです。そして、私達にもそう呼ぶことを教えてくれたのです。「アッバ」とはヘブライ語で「お父さん」という意味の言葉です。しかも「父上様」というような威厳を持った父の呼び方ではなく、幼児が親しみをもって父を呼ぶ「お父ちゃん」「パパ」といった性質の言葉です。 旧約時代の神様のイメージは近寄りがたい「熱情の神」、厳格な「裁き主」でした。それを払しょくするかのように主イエスが示された神様のイメージは「人間を子として愛しむ神様」であったのです。

キリスト教で神を「父」と呼ぶのは、イエス・キリストを通して示された、神と人間との親密で愛に満ちた関係を表すためであり、その呼称は、子を愛する父の無限の愛と恵みを象徴しています。 近年、神は当然、父であり母でもある慈愛に満ちた親のような存在として理解されるべきではない、そして「父なる神」という呼び方において、「父」が現実の家父長制の父や生物学的な男性を象徴すると考える必要はない、との主張もあります。万物の創造主であり、すべての源である神に生物学的な性を付与することは、あまりにも人間的な発想であるかもしれません。